特定非営利活動法人農業ナビゲーション研究所は 社団法人中央酪農会議の協力により、農林水産省平成18年度ユビキタス食の安全・安心システム開発事業において、安全な生乳の生産と流通の管理を実現する「生乳生産安全管理システム」と「生乳流通トレーサビリティシステム」を開発しました。合わせて、酪農とちぎ農協と同組合管内生産者による現地実証の結果、両システムの有効性と実用性が確認されました。
システムの開発に当たっては、酪農組合、生産者などの他に、乳業メーカはじめ農水省、行政機関、大学などの試験研究機関など生乳の生産と流通の事業者と専門家の多数の参画をいただきました。
「生乳生産安全管理システム」は、生乳生産で使用する動物用医薬品の禁止期間・休薬期間の判定により投薬牛の生乳出荷が可能かどうかなどの確認ができる点を特徴としています。また、確認した結果を含めて、様々な生乳生産管理情報の履歴記帳を簡易に行うことができます。更に、動物用医薬品の登録情報の照会や作業予定表の管理、使用した資材の集計、出荷情報の管理など生乳生産の安全管理に総合的に対応します。
当システムは、中央酪農会議が全国統一で推進する生産段階での記録・記帳のための「生乳生産管理チェックシート」(冊子)の内容に準拠しており、同チェックシートの記帳推進を支援する標準システムとして運用されます。冊子に比べて記帳の手間を省くとともに、記帳された情報の有効活用を図ることができます。運用に当っては、中央酪農会議をはじめとした酪農生産者組織と農業ナビゲーション研究所の協力により、全国の酪農家が安心してシステムを利用できる体制を整備していきます。
また「生乳流通トレーサビリティシステム」は、搾乳牛からバルククーラー、集乳車、クーラーステーションの貯乳タンク、送乳車、乳業メーカーまでの入出荷の履歴情報を収集・管理します。これにより、生乳のチェーントレーサビリティを実現します。流通段階で何らかの問題が発生した場合の影響範囲を迅速に把握し、回収などの対応を容易にします。
今回のシステムは、全国的な普及を目的として、利用者のシステム投資を出来る限り抑えるため、農業ナビゲーション研究所内のデータセンター(nnaviセンター)での集中一元管理によるWebASPサービスとして提供します。インターネットを介して、パソコンか携帯電話でいつでも、どこでも利用することができます。OCR記帳用紙の読み取りにも対応します。生産者だけでなく酪農組合でもサーバ機などを用意する必要がありません。これにより、生産者、酪農組合での迅速かつ広範な導入が期待できます。
また、普及推進にあたっては、農業ソフト分野で実績のある ソリマチ株式会社と業務提携することにより、全国的な展開を図ってまいります。
※ASPサービスは、インターネット経由で様々なシステムが利用できるサービスです。
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