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開発実証事業の目的
無登録農薬使用問題を発端として農薬取締法が改正され、農薬使用
基準の度重なる変更と共に、詳細化・複雑化が進んでいる。営農現場
では、農薬に添付されているラベル表示や都道府県等で作成する防除
指針における誤記が明らかになり、損害賠償問題なども生じている。
また、特に減農薬栽培を指向する営農現場では、病虫害の発生状況に
伴って農繁期に農薬使用計画を絶えず見直す必要があり、確実に使用
基準を全て満たす農薬使用計画の作成を人海戦術によってのみ行うこ
との限界と不安も指摘されている。
一方で、安全で安心できる食品への関心が高まり、トレーサビリテ
ィシステムの研究開発・実用化が進められているが、仮に事後的に農
薬誤使用が明らかになれば、対象農産物の破棄や農薬適正使用義務違
反の問題が生じることになり、生産者・産地はもとより流通業者の信
用も失墜し、死活問題になりかねない。こうした問題を未然に防止す
るためには、トレーサビリティシステムと連携しつつ、農産物の生産
段階において農薬の適正使用を積極的に誘導・支援する農薬使用リス
ク管理システムの開発実証を行うことが有効かつ不可欠と考えられ
る。
今回の提案システム開発実証では、「平成16年度先端技術を活用
した農林水産省研究高度化事業(農薬適正使用ナビゲーションシステ
ム(農薬ナビ)の開発)」の研究成果をふまえ、農薬の誤使用を事前
に判定・警告することにより農薬使用リスクを最小化し、適正な農薬
使用履歴の自動記帳・公開を可能にする農薬リスク管理システムの開
発・実証をおこなうことを目的とする。
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